fpmのインストール

この利用方法では,様々なプラットフォームへのFortranパッケージマネージャ(fpm)のインストール方法を取り扱います.

バイナリのダウンロード

fpmの各リリースにおける,macOS,Linux,およびWindows向けのバイナリ(全てx86-64)をダウンロード可能です.また,fpmのmainブランチ内の最新コミットを反映した試作的な最新開発版もダウンロードできます.

fpm releasesに移動すると,利用可能な全てのリリースを確認できます,ダウンロード可能なファイルは,各リリース項目の下部にあるAssetsに表示されます.利用しているOSに応じて,適切なリンクをクリックしてください.例えば,macOS向けのfpmバイナリをダウンロードするには,名前にmacosが含まれているリンクをクリックします.ダウンロードした後,バイナリを実行可能にする必要があります.LinuxまたはmacOSでは,下記のコマンドを実行します.

chmod +x fpm-0.5.0-linux-x86_64

任意の作業として,どこからでもアクセス可能なディレクトリ(つまり,LinuxとmacOSでは,PATH環境変数で指定されたディレクトリ)にバイナリを配置します.使いやすいように,名前をfpmのみに変更できます.

Windowsでは,fpmのバイナリだけでなく,インストーラも利用できます.

注釈

末尾が.sha256のリンクは暗号学的ハッシュを提供しており,バイナリのダウンロードが成功したかの検証に利用できます.ダウンロードしたバイナリの整合性を検証するために,チェックサムを計算し,fpm releasesで提供されているハッシュと比較してください.

❯ openssl sha256 -r fpm-0.5.0-linux-x86_64
387782f29b19eb6fbf14dd5cef76907a4c9cb6d20726d5508a78225ccd131ca8 *fpm-0.5.0-linux-x86_64
❯ cat fpm-0.5.0-linux-x86_64.sha256
387782f29b19eb6fbf14dd5cef76907a4c9cb6d20726d5508a78225ccd131ca8  fpm-0.5.0-linux-x86_64

もしチェックサムが一致しないなら,ダウンロードが不完全の可能性が高く,バイナリは動作しないでしょう.バイナリのダウンロードを再試行し,チェックサムが一致することを確認してください.

MSYS2パッケージ管理システムの利用

MSYS2プロジェクトはパッケージ管理システムを提供しており,Unixにおける共通したツールの多くをWindowsで利用できるようにします.

注釈

インストールするには,MSYS2のウェブページからインストーラmsys2-x86_64-YYYYMMDD.exeをダウンロードし,それを実行します.MSYS2は,MSYS terminal, MinGW64 terminal, UCRT64 terminalなどのいくつかの新しいデスクトップショートカットを作成します.(MSYS2の端末の詳細は,こちらを参照してください)

Fortranパッケージマネージャは,UCRT64, MinGW64, MinGW32 terminalで利用できます.

新しい端末を開き,次のコマンドを用いて更新してください.

pacman -Syu

MSYS2およびpacmanを先に更新する必要があるかもしれません.その場合,端末を再起動し,上記のコマンドを再度実行して,インストールされたパッケージを更新します.

MinGW64 terminalを利用しているのであれば,必要なソフトウェアを次のコマンドでインストールできます.

pacman -S git mingw-w64-x86_64-gcc-fortran mingw-w64-x86_64-fpm

ちなみに

gitgfortranは,どちらもfpmを実行するために必要な依存ソフトウェアではありません.gitgfortranを外部から導入した場合,それらも見つけられます.

Homebrewパッケージ管理システムの利用

Fortranパッケージマネージャ(fpm)は,MacOSのhomebrewパッケージマネージャから,追加のtapとして利用できるようになりました.brewからfpmをインストールするには,新しいtapをインクルードし,以下のコマンドを用いてインストールします.

brew tap awvwgk/fpm
brew install fpm

x86_64アーキテクチャのMacOS 11 (Catalina)と12 (Big Sur)ではバイナリが利用できます.他のプラットフォームでは,fpmは自動的にソースからビルドされます.

これらの手順を実行すると,fpmは利用可能になります.

Condaパッケージ管理システムの利用

Fpmは[conda-forge]で公開されています.conda-forgeをチャンネルに追加するには,次のコマンドを使用します.

conda config --add channels conda-forge

Fpmは,以下のコマンドによってインストールされます.

conda create -n fpm fpm
conda activate fpm

あるいは,fpmを常に利用できるようにしたい場合,次のコマンドを用いて現在の環境に直接インストールします.

conda install fpm

注釈

condaパッケージ管理システムは,miniforgeもしくはminicondaからインストールできます.

Arch Linuxユーザリポジトリの利用

Arch Linuxユーザリポジトリ(AUR)には,Fortranパッケージマネージャ(fpm)のパッケージが二つ存在しています. fortran-fpm-binは,静的にリンクされたLinux/x86_64バイナリをリリースページからインストールし,他方のfortran-fpmはfpmをソースから自己的に構築します.

一つのPKGBUILDを選び,次のコマンドで取得します.

git clone https://aur.archlinux.org/fortran-fpm.git
cd fortran-fpm

通常,選択したPKGBUILDをビルドする前に,検査を行います.PKGBUILDが正常であると確認した後,次のコマンドでパッケージをビルドします.

makepkg -si

ビルドが成功すると,pacmanはfpmパッケージをインストールするかを確認してきます.

ソースからのビルド

fpmをソースからビルドするには,以下のコマンドでGitHubリポジトリをクローンし,最新のfpmのソースを入手します.

git clone https://github.com/fortran-lang/fpm
cd fpm

もしくは,最新ソースのtarballをダウンロードします.

wget https://github.com/fortran-lang/fpm/archive/refs/heads/main.zip
unzip main.zip
cd fpm-main

利用可能なインストールスクリプトを用いると,Fortranコンパイラ,git,ネットワークアクセスのみでfpmを自己的に構築できます.自己構築を開始するために,次のようにスクリプトを実行します.

./install.sh

Fpmは~/.local/bin/fpmにインストールされます.

注釈

単一版のソースファイルから自己構築用バイナリをビルドすると,数秒かかる場合があるため,インストールスクリプトが停止しているようにみえるかもしれません.

ちなみに

インストール場所は--prefix=/path/to/installオプションを渡すことで変更できます.

インストールスクリプトが実行されない場合は,以下の三手順で自己構築を手動実行します.

  1. fpmの単一版ソースをダウンロードします.

    wget https://github.com/fortran-lang/fpm/releases/download/current/fpm.F90
    
  2. 単一版ソースから自己構築用バイナリをビルドします.

    mkdir -p build/bootstrap
    gfortran -J build/bootstrap -o build/bootstrap/fpm fpm.F90
    
  3. 自己構築用バイナリを使用し,完全版のfpmをビルドします.

    ./build/bootstrap/fpm install